自宅周りに鉄製品を置く場合、どうしても避けられない錆との戦い。
- まだまだ使えるのに錆びてしまった……
- 他のところはきれいなのに、部分的に鉄のところだけ錆びてしまって見栄えがよくない
- 交換するには金額がかさむのでなんとしても錆の進行を防ぎたい
そんなことってありますよね?
屋外にある鉄製品はどうしたって錆びてきます。
私は沖縄の海辺に住んで20年超。
塗料のことなんてまったく詳しくない素人のおじさんですが、そんな人がなんとか錆に負けないように戦っている記事です。
この記事を読んだ後は、錆び止め塗料に詳しくない一般人が自分の身の回りの鉄製品を錆から守るにはどうしたら良いかわかるようになっています。
一緒に錆と戦っていただける人はぜひ最後まで読んでください。
最初に、今、わかっていることをまとめましょう。
ポイント
- スチールコンテナと格闘した過去の記事はこちらから見てください
- 錆に塗る塗料は2種類
- 防錆塗料と錆転換剤塗料
- 錆止め塗料と防錆塗料は同じものの別の言い方
- 錆対策の基本はケレン作業(錆を落とす作業のこと)
- ケレン作業済みの場所に塗料を塗って錆を止めるべし
- 塗料の種類は様々で素人にはどれがベストか判断が難しい
- 素人仕事はずぼらになりがち、「ずぼらに処置しても完璧」。これを目指したい。だって素人だもん
- サビキラープロを再度購入 ⇒ 現在、塗布後一か月経過
- 今後も経過報告を続けます
錆は2種類、赤さびと黒さび
ホームセンターに塗料を買いに行くと実にいろんな種類のものがあり錆止めにベストの塗料を選ぶことはとても難しい作業のように思えます。
そこでまずは錆を調べることから始めました。赤さび、黒さび、青さび、白さびなどがありました。
赤さび | 黒錆 | |
名前(化学式) | 酸化第二鉄 (Fe2O3) | 四酸化三鉄 (Fe3O4) |
なぜできるの? | 空気中の酸素や水と化学反応によって発生するので自然に生まれる | 水が関わらないさびで多くの場合自然には発生しない。鉄表面を高温に熱することで生まれる |
性質 | 「悪性のさび」と呼ばれ周囲をボロボロにしていく | 「良性のさび」と呼ばれ表面に膜を形成。赤さびの進行を抑制する |
- 白さびはアルミニウムや亜鉛にできるさびの種類です
- 青さびは銅にできるさびの一種で「緑青(ろくしょう)」と呼ばれています
つまり我々は「赤さび」と戦っていくということだ
錆の原因は空気中の酸素や水が鉄と結びつくこと。だから鉄とそれらの間に塗料で膜を作り触れさせないことが錆に勝つためには重要なんだね
防錆塗料と錆転換剤
サビ止め剤には2種類の塗料があります。
防錆塗料 | 錆転換剤 | |
目的 | 鉄表面に膜を作り水や酸素に触れないようにする | 赤さびを黒さびに転換させて安定させる |
ケレン作業 | ちゃんと必要、浮きさび除去し研磨 | 浮きさび除去は絶対だが、その他はそこそこでもOK |
種類 | 油性系とエポキシ樹脂系の中でそれぞれまた分かれる | 石油系(油性)と水性系の2種 |
あれ、他に「錆止め塗料」ってあるんじゃないの?
「錆止め塗料」は【錆を防止できる塗料】って意味で、すでに錆びてしまった部位に塗って錆の進行を止めるものではないんだって。私も勉強して初めて知った。
すなわち…………、
【錆止め塗料】 = 【防錆塗料】
防錆塗料は本当に種類豊富
防錆塗料がびっくりするぐらい種類が豊富です。
大別すると2種類、
- 油性系
- エポキシ樹脂系
に分けられます。
そしてそれぞれの中でさらに分かれます。
★ 1液型(希釈するだけで濡れる塗料)
1. シンナーで希釈するものを溶剤系
溶剤系塗料にはさらに2種類
①強溶剤塗料 強いシンナー(ラッカー、ウレタン系剤など)で希釈
②弱溶剤塗料 比較的弱いシンナー(塗料用シンナーなど)で希釈
2. 水で希釈するものを水性
★ 2液型(硬化剤と混ぜて使う塗料)
詳しい記事がネットにたくさん出ています。
が、
詳しすぎて、ずぼら素人には難しすぎるーーーー
読めば読むほど難解。
さらに、たくさんあるペンキ会社がそれぞれでそれぞれの製品を出していて、それぞれにグレードの差をつけていたりします。
さらにこの塗料はこの下地には不向きで、
こっちの塗料にはこっちの上塗り塗料が適している……など、
もうずぼら素人にはわけわからん。
こりゃー業者さんに任せるのが正解じゃない?
やれやれ…………。
錆止め塗料には2種類あったの思い出して!!
そうだね! 錆転換剤も調べましょう。簡単であってくれー
錆転換剤は
錆転換剤も大別すると2種類。
- 油性 ⇒ 黒さびに転換後、塗布した場所を保護する製品で耐久性に優れるので屋外での使用に適している。
- 水性 ⇒ 錆びに染みこみやすく凸凹した部分にも塗りやすく浸透しやすいメリットがある
そして、塗るタイプとスプレータイプの2種類があります。
防錆塗料よりもシンプルだね。ずぼら素人にはこっちの方がいいんじゃない?
確かに、そんな気がする
どちらの塗料を塗るにしても、事前に錆を落としていることが重要です。
錆転換剤にはこの「錆落としの作業が不要」と、説明しているものがあります。
が、ちょっと触るだけでボロボロ剥がれるような錆びた部分は除去するのが良いのはずぼら素人にも明白。
せめてそれぐらいの錆落としはやりましょう。
錆を落とす作業をケレン作業と呼んでいます。
塗装がうまく塗れてもまた錆びてくるのは、ケレン作業が不十分で内部に残った錆が理由であることが多いんだ
なるほど。でも素人がそんな100点の錆除去できる? 自信ない……
そこで錆転換剤だよ。これは防錆塗料を塗る時に比べてケレン作業が完璧に行われなくても大丈夫なんだ
そりゃーすごい。
では錆転換剤を選んでみよう
錆転換剤の種類
最初に主な錆転換剤を価格の安いものから並べました。
家庭でのちょっとした錆補修ならば、そんなに大きいサイズはいらないので、
小容量のもので価格を比較してみました。
記載されている価格は2021/11/10現在のアマゾンでの販売価格になっています。
商品名 | 最小容量 | 価格 | 容量の種類 |
---|---|---|---|
サビチェンジ | 160ml | ¥1311 | 1種類のみ |
必殺錆封じ | 300ml | ¥1799 | 300,900ml,3.7,16ℓ 4種類 |
超絶サビバスタープロ | 200g | ¥1827 | 100,200,500g,1,2,4,16㎏,7種類 |
ホルツ | 200g | ¥1980 | 商品名を変えながら7種類 |
サビキラープロ | 200g | ¥2016 | 200g,1.4.16㎏ 4種類 |
ロックタイト | 236ml | ¥2099 | 1種類のみ |
サビロック | 200㏄ | ¥3054 | 1種類のみ |
次に塗料成分と、塗布後に必要なトップコート(上塗り剤)を比べてみました。
商品の並び方は上の表①と同じで、アマゾン表記の安いものから並んでいます。
商品名 | 塗料成分 | 上塗り剤必要? | 可能な上塗り剤の種類 |
---|---|---|---|
サビチェンジ | 水性 | 必要 | 油性◎、水性◎ |
必殺錆封じ | 1液性浸透型プライマー | 必要 | 油性〇、水性〇 ※1 |
超絶サビバスタープロ | 国産水性 | なくてもOK | 油性〇、水性◎ |
ホルツ | 特殊エポキシ樹脂 | 記述なし、上塗りは可能 | ホルツ・アンチラストペイントの使用を推奨 |
サビキラープロ | 水性 | 屋外使用なら必要 | 油性◎、水性◎ |
ロックタイト | 合成ラテックス樹脂 | 必要 | 詳細な記述なし |
サビロック | 水性 | 屋外使用なら必要 | 油性◎、水性◎ |
私は過去にサビキラープロで失敗し、サビコートも塗布し、ラスホールドというのも購入しました。
どれを塗るべきか…………考えました。
「超絶サビバスタープロ」に惹かれましたが、
結局「サビキラープロ」に再トライしてみることにしました。
※ 今回スプレータイプは使う予定がなかったので最初から省いてしまいました。
サビキラープロに再挑戦する理由
過去に犯した失敗を検証したかった……というのが正直な理由です。
この記事にも書いていますが、
良識ある方からいただいたコメントがずっと引っかかっていました。
「当方塗装屋です。
海水だと錆キラープロでは対応できません。
海沿いの鉄製建造物などには特殊強溶剤を使用します。
ラストボンド 、カーボラインなどが有名です。
コンテナ塗装ですが、一度錆をある程度削って取り除いた方が良いです。
塗装屋はサンダーと言う工具を使い錆を削ります。
皮すきやスクレイパー、マジックロン・ワイヤーブラシ等も使用します。
錆は発生すると鉄部の表面が浮いてきますので、
その上から塗料を塗っても浮いている鉄部が剥がれると
またそこから錆が発生致します。
ある程度錆を除去してから錆キラープロを塗るのが良いと思います。
それから錆キラープロはあくまでも錆止め塗料。
トップコートではありません。
錆キラープロの乾燥後にトップコートを塗る必要があります。
鉄部なら一般的な弱溶剤シリコン、ウレタン塗料を塗ると良いと思います。
こちらトップコートを塗る事により、
錆止めの上に塗膜を形成し、美観・雨水、紫外線等による
鉄部への影響を保護してくれます。
錆キラープロのみで9ヶ月で錆が発生するならば
トップコートを塗る事により数年耐久性、防錆性が増すと思います。
たまたまの通りすがりですので長文失礼致します。
それでは。」
スチールコンテナを錆でダメにした、当時の私はサビキラープロを重ね塗りはしていたものの、
トップコートつまり別の塗料を上塗りはしていませんでした。
もし、あの時、防錆塗料を上塗りしていたら、スチールコンテナを守れたのではないか?
そんな後悔があります。
そりゃー、やってみるしかないでしょう!!
逃れられないケレン作業のしんどさ
まずは錆落とし、ケレン作業に取り掛かります。
今回、新たに発見した錆びた部分はこんな感じ。
最初は少しだけだったのに、赤さびがどんどん進行して穴の開き方が大きくなってきました。
錆を止めたかったのでケレン作業しました。
どんなにずぼらに作業したくっても、ここだけはある程度やらないとすぐにまた錆びてきますので面倒くさいですがやりましょう。
と、言っても……この程度。
指で触っていたり、マイナスドライバーでコツコツ叩くと崩れ落ちてしまう錆があると思いますが、
そーいうのを取り払うのがずぼら素人のケレン作業です。
この程度です。だからそんなに難しくないです。
使用したのはこんな道具です
金ブラシ
いろんなタイプのものが販売しているので、安い奴でいいと思います。
皮スキという錆び落としの道具があるのですが、大きいマイナスドライバーみたいな風貌なので、素人はマイナスドライバーで代用。
家庭でのDIYの錆落としの場合、そんなに広範囲の錆を落とすこともないと思うので、マイナスドライバーで事足りるのではないでしようか?
スポンジサンダー
サンドペーパーでは磨けないような凸凹した部分などに重宝します
紙ヤスリ(サンドペーパー)
いろんな種類があるので、粗い目のタイプと細かい目のタイプ2種類ぐらいあれば事足りるのではないでしょうか
サビキラープロ200g購入
今回はスチールコンテナのような大きくて広い場所に塗るのではないので、一番小さいサイズのものを購入しました。
実際に塗って、経過観察している記事はこちらからどうぞ。
新しく2019/10月に購入したアルミコンテナのスチール部分にも塗って経過観察しています
まとめ
- さび止め塗料は2種類 ⇒ 1、防錆塗料 2、錆転換剤塗料
- 錆止め塗料と防錆塗料は同じものを意味している
- 防錆塗料は種類豊富でずぼら素人がベストな塗料を選択するのは難しく思える
- 防錆塗料を使うにはプロ仕様の錆び落とし=ケレン作業が必要
- ずぼら素人に完璧なケレン作業ができるか? ⇒ 「NO」 ⇒ ケレン作業がほどほどでも濡れる錆転換剤塗料が良いのではないか
- 赤さびを黒さびに変えてくれる錆転換剤塗料は錆の進行を止めてくれるが、あくまでも下地塗料である。
- 錆転換剤塗料の上にトップコートと呼ばれる上塗り塗料を塗ることで、ずぼら素人でもレベルアップした錆止め作業ができるのではないか?
- 過去の失敗をバネに、今回は錆を止めてやるぜ!!!